◆第1章◆
見習い魔女のお使い


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 「本当に道はあってるんだろうね、ヴィヴィ?」
 もう何度目か分からないニーザの苛立った声を、あたしは聞き流した。あたしだって、聞かされた通りに進んでるだけで、確証なんてない。ただ、だからって立ち止まってても仕方がないから、歩き続けてるだけ。

  その頃、あたしはまだ修行の真っ最中で、日々、姉妹弟子のニーザと一緒にしごかれてた。お師匠様は、そりゃもう怖い人だったけど、筋の通らないことが大嫌いだったから、あたしは好きだったよ。
 そのお師匠様の言いつけで、あたしとニーザは、とある山に向かっていた。目的は幻と言われる「銀の花」。これ以上ないってくらい貴重な秘薬の原料。
 “大魔女”を目指す者に課せられる試験のひとつと聞いて、あたしたちは勇んで出かけていった。まあ、どのみち断るなんて恐ろしい真似、できっこなかったんだけど。
 それに、ちゃんとやりおおせれば、帽子の高さを上げてもらえることになってたしね。大魔女の高帽子は、あたしの憧れ。その頃のあたしは少しでも高い帽子をかぶりたくて仕方がなかったんだ。ニーザともよく、高さを張り合ったっけ。
「帽子の高さは知識の深さ……恰好いいよね。きっと似合うと思わない?」
「あんたがねえ? まあがんばりなよ。あたしが手に入れたら、触るくらいはさせてやるからさ」
「あらら、そんなこと言っちゃって、負けないからね!」
 そんな他愛もない話とぼやきを交互にしながら、あたしたちはようやく目的の山に辿り着いた。麓から山頂へは一本の道が伸びていて、そこを辿れば、簡単に上まで行けそうだった。逆に言えば、その道以外にまともに登る方法はなさそうだったんだけど。
「なんだい、拍子抜けだねえ。とっとと済ませて帰ろうじゃないか!」
 笑い飛ばして、ニーザはすたすたと進んでいった。
 道の両側は木々がそれこそ壁のようにそびえてて、まるで見通しが利かない。迷い込んだら大変だろうな、なんて考えてたら、不意にニーザの背中が立ち止まった。どうしたんだろ?


「門」がそこにあった。なんでこんなところにあるのかを別にすれば、何の変哲もなさそうな古びた門がね。問題はそれが、あたしたちの進路を遮っているってこと。
「……なんだいこれは?」
 鉄格子の向こうに消える道を見ながら、ニーザが胡散臭そうに言った。
 開けようとしたけど、押しても引いてもびくともしない。錆びてる風でもないし、鍵も見当たらなかったけど。
「魔法でもかかってるのかな?」
 もっとよく調べようとしたんだけど、焦れた声が飛んできた。
「誰がこしらえたか知らないけど、邪魔だねえ。どきなヴィヴィ、吹っ飛ばしてやるよ!」
 あたしが返事する前に、もうニーザは得意の呪文を唱え始めてた。あたしは慌てて、飛びのいた……